欧州不安
ギリシャの債務不履行
2009頃、ギリシャでは新政権が発足し、前政権が経済データを大幅に粉飾していたことが発覚しました。粉飾内容としては、財政赤字は当初の対GDP比5.0%から7.7%に大幅に上方修正され、翌年の財政赤字の見通しも12.7%と当初の3倍以上に引き上げられました。ギリシャが予想以上に深刻な財政赤字を抱えていることが突然、明らかになったことで、市場ではギリシャ国債が債務不履行になる可能性が取りざたされるようになり、その動揺が世界同時株安とユーロ安という形で爆発しました。
影響
欧州の中では小国とも言えるギリシャの財政問題が世界的な混乱を招いた背景には、同国が欧州統一通貨「ユーロ」を導入していることがあります。もしギリシャが債務不履行に陥れば、他のユーロ諸国が資金的な支援をせざるを得なくなり、これらの国々の財政状態も悪化する恐れがあります。さらに、ユーロ加盟国の中にはギリシャ以外にも、ポルトガルやイタリア、アイルランド、スペインなど財政状態が不安視されている国があります(ギリシャを含め、これらの国々は頭文字をとって「PIIGS=ピッグス」と呼ばれています)。PIIGS各国の国債を大量に保有している欧州各国の金融機関も多く、財政危機の影響が連鎖的に波及する恐れがありました。経営の悪化した金融機関が企業への融資に慎重になれば、欧州全体の実体経済の足を引っ張りかねず、ひいては世界景気の低迷につながる恐れもあります。
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